分析という言葉はちょっと難しそうに聞こえるかもしれませんが、
「いいお客様を見つける」方法と言い換えると分かり易いかも知れません。
いいお客様の定義はいろいろでしょうが、ここでは
最近買ってくれたお客様・よく買ってくれるお客様・たくさん買ってくれるお客様
を「いいお客様」と考えます。
RFM分析は、過去のお客様の購買情報(いつ、いくらのものを買ってくれたかの情報)から、
「いいお客様」を見分けるための方法です。
また、各お客様の現在の状態を知って、お店が適切な行動を行う手助けを行います。
例えば、
購買頻度も多く、直近に来店もしているお客様。
このようなお客様には、特典付き特売セール案内などでよりお店の姿勢をアピールすべきです。
また、
前はよく来てくれたが、何らかの理由で店に不満を感じ、足が遠のいているお客様
このようなお客様には、イベント案内等で、再度の来店を促す必要があります。
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では、どのようにRFM分析を行うのでしょうか。
その前に用語の準備です。
◎R、F、Mのそれぞれの意味は
R Recency(リセンシィー)・・・・・最終来店日(直近の購入日)
F Frequency(フリクエンシィー)・・利用回数
M Monetary(マネタリィー)・・・・・購入金額
となっています。
RFM分析では、R、F、Mを5段階(ランク)に分け
たとえば
R:購買日
ランク5:30日以内に来てくれたお客様
ランク4:31日から60日以内に来てくれたお客様
ランク3:61日から90日以内に来てくれたお客様
ランク2:91日から180日以内に来てくれたお客様
ランク1:181日以上前に来てくれたお客様
のように考えます。
例)
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ランク5 |
ランク4 |
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ランク3 |
ランク2 |
ランク1 |
R |
30 |
60 |
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90 |
180 |
←日超 |
F |
50 |
30 |
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10 |
2 |
←回未満 |
M |
1,000 |
500 |
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200 |
100 |
←千円未満 |
◎グループ
Rが最高の5であっても、Fが1、Mも1 つまり511のお客様がいいお客様か
どうかはわかりませんので、グループ分けを行います。
グループA:最近もよく来てたくさん買ってくれるお客様
・
・
グループE:最近来ていなくて、前もあまり来ていず、少量しか買っていないお客様
例)
R5 |
F5 |
F4 |
F3 |
F2 |
F1 |
M5 |
555 |
545 |
535 |
525 |
515 |
M4 |
554 |
544 |
534 |
524 |
514 |
M3 |
553 |
543 |
533 |
523 |
513 |
M2 |
552 |
542 |
532 |
522 |
512 |
M1 |
551 |
541 |
531 |
521 |
511 |

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必要なデータは、お客様の購買情報(いつ、いくらのものを買ってくれたかの情報)です。
データは
・顧客情報:お客様が特定できるような情報
お名前(これはお客様を特定するために必須の情報です)
住所等(DM発送時は必須ですが、メールのみでを使う場合はなくてもOK)
メールアドレス(メールを発信しない場合はなくてもOK)
その他
・購買情報:購入日・購入金額の履歴
購買日
購入金額
これらの情報は2つに分かれていても、1ファイルになっていてもかまいません。
2つに分かれている場合は、結びつけるための情報(たとえば会員番号等)が必要です。
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@ランク範囲の設定
RFM分析では、R、F、Mを5段階(ランク)に分けて考えますのでランク範囲を設定します。
たとえば前ページで記述したように R:購買日 の範囲設定を行い、同じようにF、M
のランク範囲も設定します。
このランク値の設定が重要ですので、何回か値を変えて分析を行い、あなたのお店に合うランク範囲を見つけてください。
RFMそれぞれの最大値は5であるので、
最高のお客様は 555
あまりよくないお客様は 111
となります。
何回かの分析から、最適な設定値を見つけ、以降は同じ設定値をお使いください。
Aグループ分けの設定
Rが最高の5であっても、Fが1、Mも1 つまり511のお客様がいいお客様かどうかはわかりませんので、グループ分けを行います。
グループA:最近もよく来てたくさん買ってくれるお客様
・
・
グループE:最近来ていなくて、前もあまり来ていず、少量しか買っていないお客様
例えば RFM値が555のお客様はグループAという風に設定します。
何回かの分析から、最適な設定値を見つけ、以降は同じ設定値をお使いください。
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RFM分析を行います。
しかし、RFM分析を行っただけでは、単なる自己満足でしかありません。
分析結果からアクションにかけることのできる予算・時間を考え、グループ毎に適切なアクションを行います。
・DMの発送をするのなら経費を最小にするためにグループAの方々のみに絞る
・又は、グループCのお客様を対象に掘り起こしを行う等
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何日かあとに、アクション結果からアクションの見直しが必要です。
例えば、
メールを6月1日に送信した場合、次の日から1週間程度の売り上げ推移を
見て、メールの有効性を確認します。
売り上げが変わらないようならば、メールが読まれていないか、本文内容が適切でない場合が考え られます。
対策としては、メールのタイトルや本文にお客様のお名前を入れるとような工夫をします。
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